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by kitaharak

中日新聞にも掲載!「漫画・アニメ規制危惧~児童ポルノ禁止法改正案に疑問の声」

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(2008年11月18日中日新聞朝刊“話題の発掘 ニュースの追跡 特報”より)

漫画・アニメ規制危惧
児童ポルノ禁止法改正案に疑問の声
 「これでは、どこまでが『芸術』で、どこからが『犯罪』なのか分からない」。与党が国会に提出している児童買春・ポルノ禁止法の改正案をめぐり、疑問の声が出ている。児童ポルノ写真・映像を個人的に持つ「単純所持」も禁じたことや、今後、漫画・アニメも禁止対象となる可能性があるからだ。漫画家や専門家らは、同法改正が表現の自由を狭める契機になるとの危機感を募らせている。

 与党の禁止案は、「単純所持」を禁止し、性的好奇心を満たす目的で所持・保管した場合は、懲役刑など罰則を科す。一方、民主党は児童ポルノを買ったり、自ら何度も入手した場合に処罰する「取得罪」を盛り込んだ骨子案をまとめた。
 単純所持を違法とするかどうかや、漫画・アニメも含めるか否か、1999年の児童ポルノ法制定当時から議論されてきた。日本ユニセフ協会は今春から、児童ポルノ反対のキャンペーンを実施。単純所持禁止のほか、子どもへの性的虐待を描いた漫画やアニメも違法化することを訴えている。
 漫画やアニメの作者らでつくるネットワーク「連絡網AMI」共同代表理事である兼光ダニエル真さん(36)は、「実際に子どもが性的虐待されている児童ポルノは根絶すべきだ」としながらも、「空想上の産物である創作物は分けて考えるべきだ」と訴える。

 定義あいまい
 「児童ポルノの定義が『性欲を興奮または刺激する』などあいまいで、何が違法なのかを決めるのに主観が入る。捜査当局の胸三寸で判断でき、単純所持を禁止すると別件逮捕の温床になる恐れもある。定義が明確化されないままで改正するのは反対」
 また、有害や不快なものも「違法」として取り締まる流れになっていると懸念する。「何が有害か不快かは人によって違う。下劣でいかがわしいものでも、創造物は頭の中での想像。これを取り締まることは、思想弾圧にもつながりかねない」。
 この問題に詳しい山口貴士弁護士は、単純所持は捜査当局の乱用が懸念され、4年前の改正時も見送られたことを指摘。創作物規制について「表現の自由は少数派の表現を守ることに存在意義がある」とする。
 小説「チャタレイ夫人の恋人」を翻訳した作家・伊藤整氏らは猥褻文書販売罪で57年、最高裁で有罪に。問題部分は伏字にされ、完訳本刊行までに長年を要した。「価値観は時代とともに変わるが、一度、規制すると失われた表現の自由を取り戻すことは不可能に近い。特定の時代の価値観で未来における表現の在り方を規制し、未来の世代から創作の自由を奪ってはならない」(山口氏)
 専修大の山田健太准教授(メディア法、現論法)は「日本は性犯罪が絡んだ絶対禁止すべきものと、見たくない人の目に触れないよう流通で規制すべきもの、青少年に見せたくない『有害』なものなどが、これらが一緒くたに『わいせつ』とされ、とにかくみんな禁止してしまおうという流れになっている。法で絶対禁止にするものは厳格でなくてはならない」とする。
 規制範囲の拡大も懸念する。「今の世の中は、安心・安全・健全の名の下に何でも法や公権力で規制することに頼り、規制の範囲が、違法なものから不正や有害なものへと広がっている」

 思想のチェック
 単純所持禁止が「思想のチェック」につながりかねず表現の自由の大原則を変えることになる。一度作った例外が、その後一般化する例は少なくない。民主党骨子の取得罪も、どう特定するかを考えると同じ危険性がある」と懸念を示す。
 山田氏は、創作を規制するのではなく、年齢区分や陳列区分などの流通過程の自主規制で対処できるものが多いとする。「法や公権力で取り締まる範囲は、ほどほどにすべきだ。規制により、憲法で保障された権利や自由がどんどんせばまっている。これは児童ポルノ法改正の問題だけではない」

「流通で規制すべきだ」
 漫画家のみなもと太郎さん(61)も改正の動きに強い不安を覚える。「現行法を含め、どこまでがポルノの範囲に入るのか分からない」。みなもとさんが、関ヶ原の戦いから幕末までを描いた「風雲児だち」の中にも、11歳の少女が遊女として売られ、5年間客を取らされるシーンがある。「これも駄目と言われたら、歴史的事実が書けなくなる。誰が何をわいせつと決めるか、はっきりしていないのが怖い」
 20歳で少女漫画でデビュー後、あらゆるジャンルを描いてきた。歴史ものやギャグ漫画のほか、同人誌即売会「コミックマーケット」にも作品を出し続け、50歳の時に「萌え」の世界い挑戦。童顔で巨乳の少女も描いた。「子どもの裸や下着姿は駄目なのか。見る人がどう想像するかで変わるのではないか」
 現在、与党案が衆院に提出され、民主党も骨子をまとめた。いずれも漫画やアニメは対象にしていないが、与党案は今後の状況を見て必要な措置をとるとしている。だが、みなもとさんをはじめ、漫画やアニメにも規制が広がると危惧する人は多い。
 これまで、少女漫画でも、濃厚なラブシーンや十代の性が描かれてきた。みなもとさんは「手塚治虫さんの作品でもエッチなシーンはある。人類の歴史の中で、文化としてさまざまな作品で表現されてきた」と話す。漫画雑誌や男性誌にも、アイドルの水着姿なども掲載された。絵画でも少女がエロチックに描かれた作品はある。伝説の画家とも呼ばれる、フランスの巨匠バルテュスが1930年代に少女の身体を克明に描いた作品は人々に衝撃を与えた。
 みなもとさんは「権威ある芸術作品は、取り締まれない。それならば、どこから取り締まるのか。誰が過激だと判断するのか」と疑問を呈する。
 どぎつい性描写をしたものや暴力的な漫画もある。「変なことを考える人はいるかもしれないけど、見た人みんな犯罪者になるわけではない。規制し始めると、なし崩しに範囲が広がっていく」
 子どもの体操着姿の写真でも、親が持っているのと幼女が好む人が持つのが違うように、見る人によっては意味は変わると指摘する。「結局、人の頭の中を探って、取り締まることになる。犯罪と芸術や創造がごちゃごちゃになっている。描いていいと言われたものだけを描くのは、表現の自由ではない、創作ではなく流通で規制すべきだ。何でもかんでも規制するのは恐ろしいこと。魔女狩りになる可能性もある。創作者が萎縮して、表現の自由を狭めていってしまうのも怖い」

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by kitaharak | 2008-11-19 00:05 | 規制反対